色彩心理を考える

kazuworks

2008年05月05日 01:21

以前新聞で読んだが、鹿児島の企業と色彩専門家がタイアップ、赤いトイレ(総額300万以上)を売り出したとのこと。
その後の売り上げ状況は知る所ではないが、カラーの専門家仲間で話題になった。
「なぜ赤でトイレを商品化するのか。」
メーカーさんのアナウンスは
「赤は桜島のパワー。赤いトイレで元気になってください。」とあった気がする。

果たして、色彩生理学的に考えて「赤」が、ましてや鮮やかな赤が便器にふさわしいだろうか。
はたまた、トイレに元気が必要とされるのだろうか。

「赤だけはまず使わない。」と言うのが多数の専門家の一致した意見。
まず、高齢者にあってはただでさえ血圧の上がる所、トイレ。
むしろ、ハダの色に近いベージュ系やソフトな色が好ましい。
また、一時黒い便器も流行ったが、便の色を確認し辛く、血便も見逃したり、体の変調も気づくのにおくれそうな恐れがある。これは決して笑い事ではない、大事な事。
最後に、赤は人を覚醒させる色。交感神経も刺激する。これは眠りが浅い人、一度起きたら眠れない人には深刻で、夜中にトイレに起きて、赤い便器で目が覚め再び眠りにつきにくい事も考えられる。
なので、照明もやや暗めにするのはこの理由。

上記の様に、今や色は科学や心理学、生理学、人間工学と密接に結びつく。
奇をてらったり、思いつきだけで色は安易に選べない時代。
色の選択理由が明確でなかったり、後付けだったりしては結局商品価値を下げる危険性さえあるので注意が必要だ。

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